ソーヴィニヨンブラン
16 個
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シャルドネと並ぶ、世界中で高名な白ワインの品種ソーヴィニヨン。赤ワインの品種カベルネソーヴィニヨンや白ワインに使用されるソーヴィニヨングリと区別するために、ソーヴィニヨンブランと呼ばれることが多いです。
白ワインに使用される品種で、原産は南西フランスです。16世紀にボルドーのグラーヴ地区、ロワールのプイイ・シュール・ロワールにて初めてその名が公式な文献に取り上げられています。長い間、病気への耐性が弱かったり、果実が成熟しづらいといった栽培の難しさに悩まされてきましたが、栽培技術の向上や機械化にも助けられ、1960年代以降、急速に植樹が増進しました。
ボルドーを中心としたフランスの南西地方、ならびにロワール地方を筆頭に、プロヴァンス地方などのフランス国内、またイタリア、ドイツ、オーストラリアやニュージーランド、アメリカ、チリ、南アフリカ共和国などにも広がって、まさに世界中で栽培される品種となりました。
房も小ぶりで実も小さく、完全に熟すと皮は美しい黄金のような色合いになります。生命力のある樹ですが、カビが原因で起こるうどんこ病に弱いという特性をもっています。
土壌の質により、できあがるブドウやワインの香りに大きく違いが出るのもこの品種の特徴で、ボルドーのグラーヴのような粘土石灰質の土地で育てられた場合と、ロワールの小石まじりのケイ素質の土壌で育てられた場合との違い、また北の冷涼な気候と南部の温暖な気候で現れる違いなど、テロワールの特徴を反映しやすい品種です。
テロワールの特徴を反映しやすい品種ではありますが、溌剌としたフレッシュな酸味とミネラル分を感じる味わいは基本的な特徴として現れることが多いです。
グレープフルーツやレモン、ライムといった柑橘系の香りを中心に、刈ったばかりの青い草の香り、時にセージやカシスの葉っぱなどの香りを感じることもあります。ミネラル感が豊富な場合、火打石のようなニュアンスも感じます。気温が高い地域で作られると、パイナップルやパッションフルーツのようなトロピカルフルーツの香りが現れることもあります。
皮の色が日本の品種で言えば甲州のような、少し赤みがかっているソーヴィニヨングリもソーヴィニヨンブランとよく似た特徴をもっていますが、比較すると酸味が穏やかで糖度が高めになる可能性が高いため、少し厚みのある味わいとなります。
特にボルドーでは、セミヨンやミュスカデルといった、ソーヴィニヨンブランよりもぽってりとした味わいを持つ品種とブレンドされることも多く、ソーヴィニヨンブランの生き生きとした酸味に口の中に広がるふくよかな味わいが加えられ、単体の良さとはまた違った、リッチな味わいのワインも生み出されています。
ソーヴィニヨンブラン単体で造られ、ワインが若い場合は特に、そのフレッシュな酸味とミネラル分を感じる味わいから、ペアリングの筆頭に挙げられるのは魚介類、海産物です。生の魚を味わうカルパッチョのようなものから、エビなどの甲殻類、ホタテ貝やイワシの炭火焼きなどにもよく合います。
少し樽熟成されたソーヴィニヨンブランや、熟成が進んだタイプなら鶏肉や仔牛、豚肉といった白身の肉料理にも合わせられます。
また、セミヨンやミュスカデルなどとブレンドされたタイプもその味わいによって、前菜からメイン料理まで幅広く合わせることが可能です。