シュナンブラン

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    フランスのロワール地方原産のシュナンブランは、その土壌の特徴を反映しやすい品種です。キリッとした辛口の白ワインから、貴腐ワインまでさまざまなタイプのワインを生み出します。

    シュナンブランとは

    シュナン・ブランは、フランスのロワール渓谷で最も広く栽培されている白ワイン用のブドウ品種です。特にアンジュー、サヴニエール、ヴーヴレなどの地域で高品質なワインが生産されています。ロワール地域以外では、トゥールーズの南、リムーでも栽培されていて、ブレンドする品種として使用されています。

    フランス以外では、1685年ルイ14世によってナントの勅令が廃止されたことをきっかけに、オランダなどに逃れたプロテスタントの一派ユグノーが、その後海を渡って運んだと言われている南アフリカが重要な生産地で、南アフリカのシュナン・ブランは高い評価を受けています。また、アメリカのカリフォルニアやワシントン、オーストラリア、ニュージーランドなどでも栽培が行われています。

    シュナンブランの特徴は?

    シュナン・ブランのブドウは、小粒で厚みのある皮を持ち、黄金色に熟します。幅広い気候に対応できる品種ですが、高い酸度をもつため冷涼な気候でもよく育ち、どちらかと言えば涼しい気候を好みます。植物としての生命力は強い方で、様々な土壌条件に適応し、その特徴がぶどうに現れやすいのも特徴です。特に石灰質、粘土質、砂質の土壌でより香りや味わいに良い結果が現れます。

    収穫時期を調整することで、辛口から甘口、スパークリングワインまで幅広いスタイルのワインを生産することができます。貴腐菌にも敏感なので、菌をつけたくない場合は常に細心の注意が必要です。一方で、条件が整えばすばらしい貴腐ワインを誕生させることもできます。

    シュナンブランの香りや味わいの特徴は?

    土壌の特徴や造りを反映しやすい品種のため、シュナン・ブランのワインは、多様なスタイルがあるのが特徴です。辛口ワインはその酸味を生かした、フレッシュさが際立ち、カリン、洋梨、レモンなどの果実味やヴェルヴェーヌ(レモンバーベナ)やカモミールなどの香りも感じられます。また土壌の特徴を表したミネラル感もあります。

    甘口ワインは蜂蜜、アプリコット、トロピカルフルーツの豊かな風味を持ち、リッチで滑らかな口当たり。スパークリングワインの場合は、辛口の白ワインと同様、爽やかな酸味と軽やかな泡立ちが魅力です。全体として、酸度が高く、バランスの取れた味わいが特徴で、熟成を狙った造りでは、熟成するにつれてより複雑な風味が引き出されます。

    シュナンブランの基本マリアージュ

    ひと口にシュナンブランと言っても、さまざまなスタイルがあるため、ワインの特徴に合わせて料理を選ぶのが重要です。一般に辛口のシュナン・ブランは、レモンを思わせる酸味を生かして、魚介類や鶏肉を使ったサラダ、シーフードのグリルなどとよく合います。和食であればお寿司もよいでしょう。甘口のシュナン・ブランは、レバーペーストやフォアグラ、ブルーチーズのほか、スパイシーなアジア料理と合わせても面白い組み合わせとなります。また、酸味を生かして、クリーミーなソースを使った魚のソテーや鶏肉の料理などもよく合います。

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