プニテッロ
2 個
2 個
古代から存在していながら、生産量の問題で絶滅の危機に瀕していたプニテッロ。大学の品種研究によって復活を遂げた希少な黒ぶどう品種です。
トスカーナ州、おそらくグロッセート県が起源ではないかと言われているプニテッロは、絶滅の危機にあるトスカーナ原産のぶどうを守るという20年に及ぶフィレンツェ大学およびピサ大学の共同研究によって、1987年に特定された黒ぶどうです。現在では主にグロッセート県とシエナ県で栽培されており、ごくわずかのDOCに含まれている他、トスカーナ県のIGPにはその使用が多く認められています。
プニテッロの名前の由来は、そのぶどうの房がぎゅっと握った拳(こぶし)に似ているところから。小ぶりな実で生産性が低いことから、どんどん栽培されなくなっていたようです。
まずは、その房の形が特徴的です。上述のように、房が小さく握り拳のような形をしています。粒も中程度の大きさで丸く、厚い青黒い皮で覆われています。非常に晩熟です。
基本的に冷涼な気候、雨と日差しが交互にやってくるような気候で、昼夜の寒暖差が激しい場所を好みます。土壌は粘土石灰質が適しています。
プニテッロを使ったワインの特徴は、皮の色合いから生まれる濃いルビー色としっかりとした骨格、そして酸味ももちあわせています。
ベリー系やさくらんぼなどの赤い果実の香りに加え、収穫時の完熟度合いにもよりますが、ベジェタル香(植物性の青っぽい香り)を感じることもあります。
しっかりと熟したぶどうで造られたプニテッロのワインは、しっかりとした骨格にタンニンが程よく溶け込み、赤い果実や黒い果実の香りが心地よい素晴らしい味わいです。
プニテッロのもつ骨格の強さやミネラル感、程よいタンニンから、原則はメインの肉料理と合わせるのがおすすめです。フィレンツェ名物のTボーンステーキや、牛肉の赤ワイン煮込み、猪などのジビエの煮込みなども好相性です。もちろんハードやセミハードタイプのチーズもおすすめです。