シャペル家

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    シャペル家の産地情報

    フランス・ブルゴーニュ

    ブルゴーニュ地方は、フランスの東部に位置し、高級ワイン産地として知られています。ルイ14世やナポレオンなど多くの王侯貴族から愛された銘醸地で、世界中に多くのファンがいます。

    ブルゴーニュは小さな区画の畑ごとに含まれるミネラルなどの成分が異なります。畑の地層が細かく分断され、非常に複雑な構造であるため、ブルゴーニュワインは土地の個性(テロワール)を最大限に生かしたワインとも言えます。

    シャペル家のドメーヌと畑

    シャペル家のドメーヌがあるブルゴーニュの南エリア、ボーヌ地区はモンラッシェやムルソーなどの上質で香り高い白ワインの産地として有名です。

    ドメーヌがあるサントネーは、ローマ時代の遺跡が点在する街・オータンや、歴史的建造物であるオスピス・ド・ボーヌのあるボーヌの町中から車でおよそ30分ほどの場所です。

    オーガニックへの取り組み

    オーガニック歴:2004年から

    シャペル家はその地で1893年にサントネーとシャサーニュの畑を取得してからずっとぶどう栽培を続けてきた家系です。

    現当主であるフランソワさんの父ロジェさんは、若い頃の高度経済成長期を追い風にして、AOCワインの普及に尽力していました。

    一方で彼らの世代は、国家政策として化学製品の使用や機械化を推進し、生産的な農業政策を展開していたので、生産者も技術者の忠告を素直に受け入れ、実行していた時代があります。確かに畑作業の機械化や除草剤・殺虫剤の普及により、農家は莫大な農作業の時間から解放されました。

    しかし、1980年代の初め頃、ロジェさんはあることに気づきます。

    名も知らぬ害虫が彼の若い頃、つまり殺虫剤を使う以前と同じくらいに繁殖したり、除草剤を撒いても、耐性が備わったからなのか枯れない雑草が出現したりしたのです。また、彼が生産するワインの酸度が下がっている傾向も確認されました。

    ぶどうが本来持っているはずの力が、どんどん失われていっているかのような現象でした。

    かつてよりワイン造りに携わりたいと考えていたフランソワさんは、シャンパーニュやコートドローヌで経験を積んだ後、1988年にサントネーに戻り、ボーヌのCFPPA(ワインの専門校)に通いながらドメーヌに関わり始めます。

    そのときCFPPAで受けたぶどう栽培の実践方法・農薬を大量に使用する弊害・土壌に関する授業で、土壌の性質とそれによって造り出されるワインの関係性についての問題を目の当たりにしたのだそうです。

    原産地呼称(AOC)するということは、生産される土壌そのものの表現であり、その土壌と結びついた地表近くの気候状態が表現されることだとフランソワさんは考えます。人が手を施さなければ、ぶどうはその環境の要素を取り込んでその土地の本来の味わいを持つ実を付けます。

    テロワールの味わいを十分に反映した理想的なワイン、フランソワさんにとってそれは「可能な限り、人の介入を必要としないワイン」ということでもあるのです。

    そのためにフランソワさんは、ワイン造りにおいて自分たちの行動や作業工程が様々な「VIE(生命の営み)」を尊重したものになっているかを十分に気をつけることが重要だと考えています。

    まず尊重すべきは「土の営み」。
    本来の土の力を生かすため、土壌汚染のもととなる除草剤や化学肥料は使わない。

    そして「ぶどうの営み」。
    ぶどうの本来の味・色・香りの元となる光合成の作用を大切にし、ぶどうの内部に入りこむような殺虫剤や成長促進剤は使わない。

    最後に「人間の営み」。
    農業を通じて、人間が農薬散布などで患う可能性のある様々な疾患を食い止め、本来の健康的な暮らしを守る。

    これらの営みを尊重し2004年からオーガニックに転換してから、フランソワさんはブルゴーニュに広がる素晴らしい自然と調和していく意識をより強く感じられるようになったそうです。

    シャペル家で栽培している主なぶどう品種

    白ぶどう:シャルドネ、アリゴテ
    黒ぶどう:ピノノワール

    シャペル家のワインづくり

    畑の土壌

    サントネー、サントネー プルミエクリュ、シャサーニュモンラッシェ プルミエクリュ 、アロースコルトン プルミエクリュ、ラドワ、ポマール、ムルソーなど9つのアペラシオンの畑を持っています。

    微生物の生命を維持・発展させ、各区画の生態系バランスを尊重しています。畑では植物がバランスよく育つように保ち、害虫や病気などに対して自己防衛的なシステムが備わるよう気を配っています。

    栽培方法などの特徴

    ・剪定はコルドン ド ロワイヤ方式を中心に、ギヨ方式も採用。
    ・収穫は全量手摘み。

    醸造方法などの特徴

    ・赤ワイン
    ぶどうは除梗したのちタンクに入れ、4-5日間発酵をしないまま低温で置いておく。
    5日目くらいから発酵が始まりそこから約15日間くらいかき混ぜ続ける(ピサージュ)。
    15日後に発酵が完了すると、自然に出てきた果汁と、残ったかすを絞った液体の両方を同じタンクに入れる。この時点で赤ワインとしては完成しており、その後10-12か月間、タンクや樽で熟成させる。

    ・白ワイン
    ぶどうはすぐに絞り、果汁はタンクで1日寝かせて澱を鎮める。
    上澄みを樽に入れて樽で発酵させる。2月くらいにアルコール発酵が始まり、マロラクティック発酵でまろやかさなどが生まれる。
    白ワインは10~13か月後に瓶詰する。

    新樽のみだと樽だけの香りになってしまうので、古樽(6年くらいまで)と新樽を混ぜて使っています。樽熟成の間は10日に1回くらい、家族やカーヴの責任者で試飲し、そのときどきのワインの印象を記入していきます。

    シャペル家のワイン受賞歴

    「チャレンジミレジムビオ」は毎年南仏で開催される世界最大のオーガニックワイン展示会「ミレジムビオ」で優れたワインを選出する賞です。

    ※実際の在庫は受賞時とヴィンテージが異なる場合がございます。

    生産者メッセージ

    生産者から日本の皆さまへ

    私たちはワイン造りにおいて、その土地の特徴を十分に理解し、畑の区画ごと、その年ごとの特性をワインで表現することを大切にしています。

    また、20年以上の間、暇さえあればワインとぶどう畑のために時間を費やし、ワイン造りにおいても強いこだわりを持って手がけています。

    -過去と今のワインの違いについて-

    ワインは文化を反映している製品なので、19世紀のブルジョワが味わったものと、現代のものでは当然違います。私は現在も祖父がしていたのと同じような手法でワイン造りをしていますが、それでも祖父の時代よりはより機能的な器具、道具を使い、時間の無駄を省いています。

    今日では様々な道具があり、我々を楽にしてくれていますが、それを使うにあたっては確固たる考え、それはほぼ哲学と言ってもいいくらいですが、そのくらい熟考する必要があると思います。手がけているブドウやワインを、どんなふうにしていきたいか、どのような製品を作りたいか、そうやって考えずに、楽になるためだけに道具に頼って作ったワインは、飲みやすいワインにはなるかもしれませんが、作り手の魂が宿っていない「抜け殻の」ワインなのです!

    日本のオーガニックワインを愛する人たちへ。私たちがオーガニックワインを作る上で日々感じている喜び。それと同じくらいの喜びを、皆さんにも味わって頂けたら思います。地質的にも、住む人間を見てみても非常に魅力多いブルゴーニュ地方。そこが織り成すワインの奥深さを日本の皆様にお伝えできれば幸いです。近いうちに、直接お話できる日が来ることを願っています!

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